たとえば、大きくなったら宇宙飛行士になる、だとか
パイロットになる、なんてことはただの一度も願ったことがないのに
気がついたら飛行機によく乗っていた、というワタクシ。
あっ、フライトアテンダントにはちょっぴり憧れたような・・・むにゃむにゃ。
人生というのは不思議なものです。
絶対に予測のつかないことが起こる。
でも問題はその予測のつかないことにどうやって対処するのか、ということだと思うのです。
それでそのひとの人生が決まる。
いろいろな経験を重ねていくうちに、はじめはすごくすごくドキドキしていたことが
そうではならなくなる。
それはとても幸福で、とても不幸でもあると思う。
そしてそのことを思うたびに、わたしはいつもはじめて飛行機に乗って
海外へ行ったときのことを思い出す。
12歳か13歳か定かではないけれど、どれほどの期待とドキドキと緊張感を膨らましていたか。
そしてその気持ちをいつまでも忘れたくない、と思いながら薄くなっていく記憶と戦う。
「はじめて」の持つ新鮮さやまぶしさというのはいつか泡みたいに消えてなくなるけど
でもそれは熟練へのスタートでもある。
そして戻りたいと願っても、戻れないのが”初めて”なんだよね。
だれでも一度は通る道。
そしてそれは戻れないべきなんだと思う。だから価値がある。
でもだからこそ、どうしたらその”初めて”の気持ちを持ち続けられるのだろう、と思う。
そしてその初めての記憶は、時々傲慢になりそうな自分にブレーキをかけてくれている。
だから、誰かのはじめて、をよりよい思い出にするために、自分にできることがあれば
いいな、と思う。
そして永遠に続く、自分にとっての初めて、を探す毎日を続けているのかな、と。
まだまだたくさんの初めてに出会うために、世界をふらふらとしているのかな。
なーんて、そんなことを考えるバンコクの夜。