赤めだか

昨日から、本棚の整理を始めた。そもそも本や雑誌がかなりの数あり、大きな書棚はさまざまな書類とともにすでに溢れかえっていたのだ。信じられないペースで増えていく本はどれも手放すには惜しく、わたしにとって宝物なのだ。

というわけで、泣きながら1/3ほどを処分することにした。

最近読んだ本の中でとても気に入ったもの。それが「赤めだか
」だ。
これは自分で買ったものじゃなくて、友人から借りた本なのだけど、すごく面白くてあっという間に読み終えた。

立川談志の弟子である「立川談春」が書いた実話である。
私の中では「立川談志」というヒトはバカボンのパパみたいなむちゃくちゃな噺家、落語家ということしかなかったので、本を読み進めるうちに少しずつイメージが変化してきた。また談春というひとがいることも知らなかった。うら若き乙女ですから。バシッ。(イタッ)

芸にかける思い、また師弟関係が家族のようなものだということ、また理不尽で意味不明で平等で不平等だという落語という独特の世界観をみずみずしく描いていると思った。

私自身、母が浅草出身ということもあり「浅草演芸ホール」はよく前を通っていたし、年配の方が時間になると列を作っていたという記憶だけはある。実際、数年前に「タイガー&ドラゴン」というドラマで「落語」が注目されてからなんとなくは気になっていたものの、わざわざ寄席に行くということも経験しないまま今日に至る。うら若き乙女ですから。バシッ。(イタッ)

ただ、その昔(高校生のときね)「礼法」を習っていたときに男の先生がいらしたのだが、先生は「落語」を習っていて、その教え方は非常にわかりやすく、また表現力のすごさのようなものを感じたのは覚えている。先生が抹茶を説明するときのセンスのいい扇子(!)の使い方や抹茶を飲む真似をするときのあれは実に落語的だと思うし、なんとも美味しそうだ、と。

とにかく落語というのは、噺家というのは自分の人生をかけた職業で、普通であってはならない、普通では面白くない。「無茶苦茶」であることが許される職業なのだ、と思った。無茶苦茶でいる才能というものもきっとあるのだと思う。落語という世界を垣間見ることのできる、優れた1冊。おすすめ。

Comments

  1. 気に入ってもらえて良かった。
    すごくイキイキとした文章であっという間に読めたでしょ?
    なんか読むと言うか、頭の中に直接聞こえてくるように感じたよ、僕は。
    師弟愛とか、家族とか、そんな一面もありつつ、でもやっぱりそこは芸に生きるプロということで厳しさがあって、、、その厳しさの中で厳しさを笑いに昇華させようという生き様とか、絶妙のタイミングで紡ぎだされる立川談志の教えがまた笑えるし涙を誘うよね。

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  2. Kちゃん、さすがっっ。
    わかるなぁ、本当に本を読むっていうより話を聞いているみたいで面白かったんだよね。
    いい本を紹介してくれてありがとね。

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