グラン・トリノ

実によい映画と出逢った。それは「グラントリノ」。
恋に落ちたのは、飛行機の中。ぷかぷかと雲の上を飛んでいるときに、まっさかさまに落ちた、のだ。

いい映画というのは心に深く、ズシーンと何かが落ちるみたいに残っていくものだと思う。

グラントリノは、老人と少年と少女との友情を描いていて、偏見に満ちた自分自身に気がつくと共に、どう生きるか、についても考えさせてくれる。そして洒落ている。格好良すぎる。またひねくれすぎている。けれど、わたしが愛する人だ、と。偏屈だけれど、自分だけの答えを持っているようにその人は見えるから。そしてそれはわたしが最も愛するものだ。

人生について考えるとき、わたしたちは大きな過ちを繰り返しているのではないか、と思うときがある。
 

グラントリノ

世の中は理不尽に満ちているし、許せないこともたくさんある。
平等などということもない。人は生まれながらにして不平等なのだ、とわたしも思う。けれど、今いる場所で頑張るしかないのだ。どの場所にいたとしても。

誰かのために自分は何が出来るんだろう?
本当の復讐についてこれほどまでに真摯な答えを見つけられるだろうか?
本当に誰かを愛するということについて、愛されることについて、守るということについてこんなにも的確な答えがあっただろうか、と。

飛行機の中で号泣。
ひたすら号泣してしまった。

わたしは、こんな人生でありたい、と思った。

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