チェコ最古のマリオネット博物館でマリオネットの歴史と娯楽を感じる
ブルノにさよならして向かったのは、フルディム (Chrudim) 。実はフルディムはチェコ第一(プラハ)、第二(ブルノ)、第三(オストラヴァ)の都市のちょうど真ん中に位置するという2.5万人住む都市。チェコで最初にできた「マリオネット博物館」があります。
現在は古い建物をリノベーションしてぴかぴか。マリオネットフェスティバルが毎年行われるのもこちら。
というわけで大きなマリオネット人形がお出迎え。紐をやさしくひっぱると口がパクパク。楽しい!
ちなみに東チェコ(フルディムも含まれる)でマリオネットがはじまったのは18世紀のはじめ。町から町に移動し、マリオネットを発表するファミリー劇団が出現したのがその頃で演者はひとりにつきマリオネット人形を20個くらい持ち、さまざまな役柄を演じたそう。
このマリオネット人形は高価なものだそうで、演者と人形を作る職人は別にいたのだとか。
展示されているマリオネットは18世紀後半から19世紀前半につくられたもの。
マリオネット人形をつくる職人の工房はこんな感じ。人形づくりもファミリーで経営している場合が多く、スハルダファミリーは特に有名な工房。
19世紀前半に台本ができ、その前は口頭で伝えられてきたストーリーを元にして劇がつくられていた。当時マリオネットはこどものためのものではなく、おとなが楽しむ娯楽で一番人気はジョーカー(コメディ役)。それは現在も変わらないというのも面白い。
マリオネットも時代とともに創意工夫が凝らされ、どんどん進化していったのがここにくるとよくわかる。
19世紀後半から劇場ができ、20世紀前半が最盛期。マリオネットがブレイクしたきっかけは1911年の展覧会。チェコスロバキアの時代、政府がサポートに力を入れていたこともかなり大きいのだとか。
ちなみに人気になると同時にプロだけでなく、アマチュアの劇も出現。自分で人形を作って演じるひとや第一次世界大戦の戦争の時に兵隊がつくったものも。
第一次世界大戦のあとはマリオネットセットが販売され 家族内で楽しんだというから、チェコの娯楽の中心であったことは間違いない。
結構凝ったつくりで、これは紙でできた背景。切り抜いてこんな風に立体的に。よく考えられてます。
ちなみにチェコの人形だけでなく、アジアのものも。もともとマリオネットのスタートはアジアから伝わったこんな紙人形だったというからびっくり!
高い建物がほとんどないからか、チェコの町は屋上から見る景色がとても素敵。オレンジの屋根が可愛い。
博物館ではマリオネット人形を買うこともできますよー!ついつい物欲フツフツしちゃう。子供がいたら大喜びですね、きっと。
さまざまなプログラムも用意されているそうなので、くわしくはサイトをチェックしてみてーーー。
Museum of puppets Chrudim
Břetislavova 74, 537 01 Chrudim
+420 469 620 310
08:30-18:00
おとな 80コルナ
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フルディムのアートが大集合、バロック彫刻博物館
できたばかりだというのが、Muzeum barokních soch Chrudim (フルディム バロック彫刻博物館)。
美しい彫刻がずらりと並ぶ美しい博物館です。
歴史的建造物(修道院)を改装、どことなくモダンな雰囲気を感じさせるのが不思議。
このペイントは保存状態がよく、そのまま残したのだそう。かなりボロボロだった修復前の様子も見られるのがユニーク。
Muzeum barokních soch Chrudim
274 01 Chrudim, チェコ
09:00-12:00/13:00-17:00
おとな60コルナ
洗練されたお皿が並ぶ、雰囲気抜群のレストラン、ウ・パルクーへ
フルディムを訪れる理由、そのひとつがこちらのRestaurace U Paluků(ウ・パルクー)。
進化し、洗練されたチェコ料理が食べられるレストランです。
まずは温かいスープでカラダを温めて。ちいさいビールもつけておきました。
どこか温かみのある内装で落ち着きます。まったり、まったり。
チェコではわりとデーツを使った料理を食べることが多かった気が。色鮮やかで美味なので大好き。これはチーズとデーツのリゾット。たっぷりの焼いたチーズと一緒にリゾットをソース代わりで食べる感じ。盛り付けも美しくてお気に入りの一皿でした。
Restaurace U Paluků
Filištínská 30/30, 537 01 Chrudim I
+420 463 351 474
Sunday – Thursday 11:00〜22:00
Friday, Saturday 11:00〜23:00
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実はミュシャの奥さんの故郷!ミュシャポスター展へ。
実はミュシャの奥さんの故郷がこちらのフルディム。というわけでミュシャとの関係も深い土地です。
私がお邪魔したタイミングでミュシャのポスター展を開催中。というわけでふらりとお邪魔してきました。
ちょっとしたお土産も購入できる(しかも格安)のでミュシャ好きにはかなりおすすめ。
Chrudim Regional Museum
Široká 86, 537 01 Chrudim
+420 469 620 330
09:00-12:00/13:00-17:00
おとな60コルナ
月曜定休
驚愕の宗教心!木彫りの動くジオラマに感動。
フラデツ・クラーロヴェーの手前にあるトシェベホヴィツェ・ポト・オレベム(Třebechovice pod Orebem)へも。実はオレベムにはとても貴重な博物館が!それがこのクリスマス前に飾られる人形。ベツレヘム(Proboštův betlém)とはキリストが生まれた都市のことでキリスト誕生のシーンを描いたもの。
チェコ人々はキリスト教徒が多かったようで、チェコのクリスマスで重要な役割を担うのがキリスト誕生を描くこの人形の飾り物。各家庭ではツリーとそしてこの人形の飾り物(ここではベツレヘムと呼ぶ)を飾るのが恒例だったそう。(日本で言うと雛人形のようなもの?)
大小さまざまな人形なのだけれど、本当に材料は色々あって、中には「パン」で作られたもの(↑)も。
なんとクリスマス期間は現在でもトシェシュチュ(地名)でベツレヘムの人形作りをする家族は、家で制作した人形の飾り物を見せるべく一般に自宅を開放!町の人々の間ではどのお家のものが今年一番立派だったかを200年に渡り、競いあってきたのかもしれません。
そんななかで生まれたのがこの巨大な木製の飾り。もともとはヤン・プロボシュトが奥さんのために木彫りのもの(もっと小さくて、動かない)を作ったことが評判になり、これが生まれたというのもすごい話です。1999年に国家文化遺産に指定されたというこの作品は世界的にも有名だというのも納得の精巧かつ迫力があります。
宗教的意味合いが強いためか、買うものではなく自分で作るもの。なのですべて趣味で作られているというのも驚愕です。
制作されたのは100年以上前(19世紀末に作り始め、長い年月を経て完成)で2000体以上の木彫りの部品が!しかもこの人形、なんと動くんです。凄すぎる・・・。
ちなみに紙製のものが購入できたのでわたしもひとつお持ち帰り。今年のクリスマスはこれを作ってみようかな、なんて思っています。
Třebechovice Nativity Museum
トシェボヴィツェ・ベツレヘム博物館
Masarykovo náměstí 1426, 503 46 Třebechovice pod Orebem
+420 495 592 053
09:00-16:30(最終入場16:00)
月曜定休
おとな100コルナ
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※この旅はチェコ政府観光局によるブロガートリップです。
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