村上春樹というひと

ちょうど、イスラエルで最高の文学賞を日本人の作家、村上春樹さんが受賞した。「エルサレム賞」と名づけられたその賞は大変名誉であると同時にとても複雑で政治的、思想的に大きな意味を持つのだそうだ。

わたしは今朝、ブログのRSSリーダーで、KUROTERUBlogを見るまでこの話題について知らなかったし、正直興味もなかった。けれどさらに今わたしにとって大切なメンターのひとりである人もまた、このことを取り上げていた。偶然かもしれない、でもそれを必然だとわたしは受け取りたい。

そもそも村上春樹の作品はわたしには分かりづらく、世の熱狂的な男性ファンを何人も知っていたが数冊の作品しか目を通していない。けれど、彼のすばらしさはきっと彼の思想であると今の私は考えている。

本来ならば、よく知らない人のこと、特に自分が愛しているとはいえないものについて書くのは憚れるのだけれど、もしもワタシと同じようにこの話題について興味もなく知識もない人がいたとしたら、ぜひ知って欲しいと思ったので、少しだけ勇気をだして書いてみることにする。

まずは講演の本文(日本語訳)を読んでみてね。

とても分かりやすい、とわたしは思った。誰が聞いても誤解を与えず、メッセージが一貫しており、控えめでとてもチャーミングだと。こういう講演ができる人は天才ね。だから生まれて初めてわたしは彼のことを天才だと思った。壁と卵、という比喩はなんとも分かりやすい。

そこにあるのは、おこがましいけれど、私が考えるものととても近い。
もしもこれを読んで、何かを感じたならば、自分の中でその疑問を考え続けてみるのもまたいいのではないかしら。

  • 真実とは何か
  • 戦争とは何か
  • 人に言われるとそれと反対のことをしてみたくなるという気質
  • 私たちは自分自身の目で見たことや、自分の手で触れたことしかすんなりとは信じない、だから遠く離れているより、ここに来ることを選びました。
  • ひとりひとりが弱者であり、けれど同時に個々の尊厳を持っている、そしてそれに光を当て、明確化させる
  • 私たちは、国籍、人種を超越した人間であり、個々の存在である
  • 「システム」(=時に自己増殖し、私たちを殺し、さらに私たちに他者を冷酷かつ効果的、組織的に殺させ始めるもの)がわれわれを食い物にすることを許してはいけません。「システム」に自己増殖を許してはなりません。「システム」が私たちをつくったのではなく、私たちが「組織」をつくったことを忘れないでください
  • 私がここに来たもっとも大きな理由は皆さんの存在です。私たちが何か意義のあることを共有できたらと願っています。

Comments

  1. 正解しちゃった!

    アカデミー賞、偶然にも正解しちゃいましたね。うふふーー。 「スラムドッグ$ミリオ…

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