前の記事では空港を占拠して抗議行動をしたことで今の政権ができた、というところまで解説しましたよね。それがだいたい今年の1月くらいのことです。だから今の政権は3ヶ月くらいといったところ。
で、タクシン氏は4月に入って報復・・・というかデモを開始したわけです。しかも自分の家族はデモの前に国外に脱出。家族の安全は確保してるんですね。デモを起こしたのはなぜかというと、反タクシン体制が政権についたことで、国外にいるタクシン氏は大幅に制裁を受けることになったから。タクシン氏としてはなんとしてもまた政権を手中に収めたい。つまりこのタクシン派(赤がトレードマーク)VS反タクシン派(黄がトレードマーク)の戦いなのです。
前の記事の写真を見るとみんな赤いポロシャツを着ているでしょう?テレビの映像もみんな赤を着てます。これはタクシン派を意味するんです。
パタヤで開かれたASEANが中止になったのは、この赤のタクシン派がホテルに入ってきて、安全が保障できなかったため。ヘリで各国首脳は逃げてましたね。でもこれによってタイはものすごく信頼を失ったんです。で、ASEAN中止でさらにデモが活性化。バンコクに移ってきたのですね。
問題なのはみんなそんなに強い意志を持ってやっているかというとそうではなくて、デモに参加するとお金がもらえること。そのお金ほしさ に参加するのは貧しい階層の人たち。(ちなみに空港占拠したときの反対勢力も同じことをしてます)タクシン派を強く支持するのはこれまた貧しい階層の人が 多いようです。もしかしたら、お金がもらえたり、優遇措置が期待できるのかも。つまり、デモに参加する=利害があるという図式になります。みんな自分のこ としか考えていないんですね。まっ、これはどの国も一緒なんですけれど。
目先の利益のために国の信頼を失っているということに気がつかない。あくまでもわたしの視点なんですが。
というわけで、バンコク滞在中なら、赤はタクシン派、黄色は反タクシン派を示すので、この色の服は着ちゃだめ!というのがポイントです。
基 本、流血とかそういうのをタイの人はかなり嫌がるんです。政府はどうしてデモ隊をパタヤで排除できなかったのか、というと力で弾圧するのをタイ人はもっと も嫌がるからですね。たとえば、弾圧して人が死んだりすると一揆に批判が高まっちゃう。だから前のクーデターの時も無血だったでしょ?今は、タクシン派が デモを止めに入った市民を2名殺しちゃったものだから、すごく批判されている。
以前政府が弾圧したことがあったようなのですが、それをすると例外なく国民の支持が離れるという事実があるからなんです。だからうかつに手が出せない。
そんな図式のようです。
まだもうちょっと続くかも?
ではまた近いうちに!